SSブログ

頑張らないように頑張る [老後]

頭が痛くなりそうなタイトルで恐縮だが”頑張る”は自分に対してなので使うのは簡単、
だが”頑張れ”となると、言われた側の立場を考えなければならないので難しい。

この前の九州の集中豪雨で、収穫直前のトマトのビニールハウスに水が流れ込こんだ
農家をTVが紹介していたけれど、復旧に2年はかかるそうでその惨状に息を呑んだ。
こういった被災者に安易に、「頑張って下さい」と言葉をかけるのは酷でしかない。
「一緒に頑張りましょう」なら、少しは救いがあるかも知れないが、実質が伴わなければ
これほど被災者にむごい言葉はないだろう。よく若い女子アナにありがちなのだが。



私の父は長男なので、兄弟はもとより親戚に対しても意見を言わねばならない立場に
いた。そんな父が、祖父の実家の塀が崩れ屋根も傾いて来たのを見かねて、家長に
意見を言おうと訪問した。家長は小学校教師の40代女性で夫は数年前に他界した。
父が口を開こうとしたら、「私は私なりに頑張ってやっています」と先に言われた。
「説教しようとしたら、先に頑張ってますって言われた、これじゃあ何も言えない」
と帰って来て愚痴をこぼした。その頑張りが他人には歯がゆいと感じても、頑張って
いるかどうかは本人にしか解らないのだ。なので、簡単に「頑張れ」などとは言えまい。

私は不注意で踵を骨折して通勤していた時に駅の階段の多さに辟易した覚えがある。
何時もは平坦だと思っていた道路も、少し傾斜がある事に気付いた。骨折などしなけ
れば何という事もない通勤路が、障害物がいたるところにある道路に変ってしまった。
”他人の痛みは幾らでも我慢できる”という言葉通り、想像の痛みは現実に及ばない。

”頑張らないバドミントン研究会”という通販サイトがあって、私も利用している。
この通販サイトのポリシーは”頑張らないで上達したい仲間たちを、上達テクニック
やオリジナルグッズで応援!!”少々虫が良すぎるが、サイト内アドバイスは確かに
的をついている。私もアドバイスに従って練習していたらめきめき上達してしまった。
となれば苦労はない。やはり、スポーツにはある程度の才能と頑張りは必要不可欠。



良く言われるのが、”うつ病の人に頑張れ、は禁句”だが、うつ病にもよるらしい。
自分を責めるあまり発症した人には勿論禁句なのだが、最近は新型うつ病といって、
自分ではなく他者が悪いと考えて、自分に向き合わない病人が多くなって来たという。
いかにも現代を象徴するかのような新型うつ病だが、若者に多いのも納得できる。
こういう病人には、「もう少し頑張れ!」の叱咤激励が効果がある治療法らしい。

「頑張れ」や「頑張ります」が飛び交う職場では、あまり働きたくないと思うのは私だけ?
「ご苦労様でした」は上から下への言葉なので上司に使ってはいけないとされている。
「お疲れ様でした」が正解だというけれど、私は違和感を覚える。”苦労”と”疲れ”
は別物で、”苦労”には”苦労されたかいがありましたね”という意味があるように
思うが、”疲れ”は”結果はともかく心体が大変だったでしょう、の意味しかない。
なので、上司に「ご苦労様でした」と自然に口から出ても構わないと考える。

”頑張れ”という言葉は、言う側言われる側の状況を考慮すれば、悪い言葉ではない。
”無理をしないでね”という言葉に置き換えて見て、違和感がなければ使って良い。

私は毎日記事を書いているが、今後も記事に限らず、生きて行く上で”なるべく頑張
らないように頑張ろう”と思う。そのほうがちょっぴり豊かに長生き出来そうだから。



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。