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仰げば尊し和菓子の恩 [音楽・芸術]

正しくは「仰げば 尊し 我が師の恩」である。良い子は間違って覚えないように。

「仰げば尊し」17日から始まったTBSの日曜劇場のタイトルである。
絵に描いたような青春ドラマで、ストーリーもおおよその見当がつきそうでもある。
でも、ドラマが音楽に関連しているので毎週日曜日が待ち遠しくなった。感謝。

観てる時に吃驚したのが、寺尾聡が吹いているサックスのメロディーを聞いた不良
の一人が「オーネット・コールマンだ!」と叫んだ事。どうしてこんな若造が一発
で解ったのか?ドラマだから、と言ってしまえば身も蓋もないが、あまりにも渋い。
一般の人には知名度は低いし、フリージャズで有名なので、意外な名前ではある。
せめて、ソニー・ロリンズかジョン・コルトレーンあたりが無難なのだろうけれど
このあたり、何かの伏線であろうか?吹奏部が映画「スイング・ガールズ」のよう
なビッグバンドに変貌していくのかも知れない。(そんな訳ないか?)



ところどころに吹奏楽部の演奏があったが、かなりのレベルの低さに抑えていたと
感じた。最終話では不良メンバーも加わっての見事な演奏になるのだろうか?

高校時代吹奏楽部だったというクラスの友人が二人いた。一人はクラリネットを吹
いていたという。「何の曲をやっていたの?」と訊くと、何曲か曲名をあげたが、
その中でアメリカの戦争TVドラマの主題曲「コンバット・マーチ」をやっていた
という。私も大好きなTVドラマだったので良く観ていたのだが、彼がいうには、
「最初は良いんだけれど、途中からつまらなくなって飽きちゃうんだよな」と言う。
確かにTVでは冒頭の勇壮部分しか演奏せず、途中以降を聴く事は無いので、
あらためて、最後まで聴いてみたら途中から後半はすごくだれて詰まらなかった。
彼は、大学の吹奏楽部には入らなかった。コンバット・マーチがたたったのかも。

もう一人はフルートで、大学の吹奏楽部に入っていた。私はバンドをやっていて、
ギターとボーカルだけでは寂しいのでフルートに挑戦しているところだった。
同じクラスにジャズでテナーサックスをやっていた男がいて、エリックドルフィー
のようにフルートも吹きたくなって始めたので、二人してフルートを教えて貰いに
彼のアパートを訪ねた。彼のフルートは金メッキだった。音も通っていて凄かった。
「吹いて見て」と言われたので、吹いたが私の音は歌口の部分だけで、彼のように
管全体が鳴っていなかった。それだけでも、教えを乞いに行った価値があった。
何度か教えて貰ったけれど、私は最後まで3オクターブがまともに出なかった。
もう一人も、自分の音色を恥じてステージでフルートを吹く事は無かった。
私は図々しいので、自分が綺麗に出せる音域の範囲で、曲の間奏に使っていた。



家庭教師のアルバイトをしており、バンドの練習帰りに教えに行ったら、フルート
のケースがその娘の母親の目にとまり、「吹いてくれませんか?」と頼まれたので
渋々吹いたら、「フルートって尺八の音色に似ているんですねえ」と言われた。
多分、褒めて頂いたのだと思う。そう思わないと生きて行けないから。

ドラマの中で、「何時間位練習しているの?」と訊かれた生徒が「2時間位です」
と言うと「嘘をつけ。楽器は正直だ」というセリフがあったけれど、確かにそうだ。
今、高校野球の真っ盛りだけれども、吹奏楽もある意味同じではあるまいか?
猛練習を重ね、戦力を最大有効に使う工夫をして、チームワークで闘う訳だから。

これから楽器をはじめようかな?という人にお奨めするのはクラリネット。運指も
楽ですぐ音が出ます。今、新聞に北村英治の「私の半生」が連載されているけれど
音色からは想像出来ないぐらいの波乱万丈の人生で、楽器の音色にはその人の人生
が出るような気がする。もう一度、アルバイト先のお母さんに今の私のフルートを
聴かせたら、何とおっしゃるのだろう?「ホラ貝に似てますねえ」と言われたら、
「私はホラは吹きますが、ホラ貝は吹けません」とでも答えるしかすべが無い。



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