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「好きなのはそうめん?冷やし中華?」の設問に? [料理]

土曜日の朝日新聞の別刷り「be」には毎週いろいろなアンケート調査が載っており、今週は「好きなのはそうめん?冷やし中華?」で、私はこの設問に違和感を感じたのだが、その違和感が何なのかが上手に説明出来ない。「そうめんは 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」という室生犀星の有名な詩があるけれど、勿論、正しくはそうめんではなくふるさとなのだが、何となくそうめんでもしっくり来るような気がする。無理やり違和感を言えば「御飯」と「チャーハン」を比べるようなもので、同じ土俵にのらないような気がする。そんな違和感を感じるのは私だけなのかも知れない、アンケート調査の結果はそうめん55%で冷やし中華45%だった。アンケート調査で興味深かったのが、「主にどこで食べる?」でそうめんは自宅が99%、外食が1%に対し、冷やし中華はそれぞれ74%と26%、そうめんは納得出来るのだが冷やし中華の74%が気になった。スーパーやコンビニで出来合いの物を買って来て、自宅で食べるのも入っているのではなかろうか?そうめんの外食1%も「折角の外食なんだから、そうめんは嫌!」なのだろう。


もう母が亡くなってから30年以上も経つのだが、「子供の頃、お前は病気になるとそうめんを食べたがった」という言葉を今でも思い出す。「えっ!みかんの缶詰じゃなかったの?」と尋ねると「普通の子はそうなんだろうけれど、お前は違っていたので良く覚えている」と言われた。貧しい家だったので、夏の昼食や夕食は度々そうめんで、具などは漬物、良くて天麩羅ぐらいだったような気がするし、普段は麺つゆなのだが時々酢醤油にして飽きないように、との母の配慮もあった。白いそうめんの中にある、2~3本の赤いそうめんを妹と奪い合った記憶もある、私には懐かしい食べ物だ。余ったそうめんは、翌日父がフライパンで炒めて醤油をかけて食べていたのを良く見かけた。私にとってのそうめんとはそういう食べ物で、華やかさなどとは無縁だった。昔読んだある小説に「そうめんとは、法事から帰って来て小腹が空いた時に、故人を思い出しながらしんみり食べるもの」という一文があり、主食にはなれない脇役的な食べ物ではあるが、あなどれない存在である事を良く表現しているな、と感心した覚えがある。まあ、人それぞれにそうめんの思い出や食べ方があるのだろう。


一方の冷やし中華だが、この前「マツコの知らない世界」というTV番組でも取り上げていて、冷やし中華に魅せられた男が今まで食べて来たなかでのベスト5を紹介していたが、もはや冷やし中華と呼ぶのは作り手に申し訳ない程の完成度だったし、値段も高い。私の冷やし中華のイメージはスープが酢醤油とからし、具は錦糸卵とハムと鳥のささみできゅうりが邪魔、たまに食べたくなるが、期待した程には美味しくなくてがっかりし、それを忘れた頃に又食べたくなる不思議な食べ物だが、番組を観終えて少し認識を改めようと思う。夏になると「冷やし中華始めました」ののぼりや貼り紙が店頭に飾られ、秋にはメニューから外されてしまう。そうめんもそうであるようにどちらも夏が似合う食べ物で、秋や冬に食べるのは何だか侘しい。こんな美味しい物は一年中食べられるようにすべきだ、というので「全日本冷やし中華愛好会」が昭和51年に発足しジャズピアニストの山下洋輔氏が初代会長になったのだが、今でも一年中食べられるお店は少ないので、彼らの洒落をお店が理解出来なかった、というより売れない商品をメニューに加えておくのは、お店の死活問題なので致し方ないし、「そんなに食べたければ自分で作れ!」と言いたくなってしまう。最後に「夏の間に食べる頻度は?」の設問に対し、どちらも週に一度どころか、二週に一度、月に一度以下が8割以上を占めている。面白いのは、「食べない」がそうめん4%、冷やし中華7%、設問はどちらが好きか?なので、両方食べない方はおいでにならないとすると、冷やし中華が嫌いな人はそうめんの2倍近くおいでになる。「それがどうした?」と言われそうだが、騙されたと思って一度冷やし中華を食べて見て下さい。「騙された~!」と言う声が聞こえて来そうだが。「そうめんと 一緒に味わう ノスタルジー」


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