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華麗なる加齢 [老後]

日本語とは本当に面白いもので、発音が「かれい」でも漢字では「華麗」又は「加齢」と書くのだが、それぞれ「はなやかで美しいこと」と「年齢の増加に伴う変化のこと」の意味なので、ほとんど対義語ではあるまいか?美しく年齢を重ねられれば良いのだが、なかなかこれが難しい。若い頃は「かれい」と聞けばすぐ華麗を想像したのだが、老人になると加齢が思い浮かぶ方が多いのではあるまいか?中には魚の「かれい」を想像される方もおいでになるかも知れないが、そういう方はさぞや長生きされる筈。新聞に加齢をお嘆きの投書が二つあった。一つ目は神戸市にお住まいの74歳の女性で”どうにも具合が悪くて、迷ったあげく病院に行く決心をした。医師に何とかこの具合の悪さを分かって欲しいと必死に説明するが、その間いちべつもくれず、ただ無表情にパソコン画面を見るばかり。切なる訴えが終わったところで冷たく一言「加齢ですね」。医院を何軒も回り、何回同じ事を言われたか。年をとった事は認めます。十分自覚してます。シワクチャの顔なんか見たくもないでしょうけど、一度や二度視線を合わせても罰あたらへんのとちゃいますか。婆さんの肌に触れたら汚いですか。必死のパッチで来たのにかいないなあ。老人はこういう扱い受けるんは、やっぱり一割負担やさかいですか。”と華麗なパッチも医者には功を奏さず、お嘆きだった。神戸弁なのでちょぴり華麗さには欠けるが、お気持ちは良く解る。そして女性は灰になるまで..失礼しました。


二つ目は「高齢者は自由に金を使えない?」のタイトルで、鹿児島県にお住まいの75歳女性。”保険が満期になり銀行口座に振り込まれたので引き出しに行った。振り込め詐欺と間違われないようにと保険証を持って夫婦で出かけたが、使い道を根掘り葉掘り聞かれ、今は警察に連絡をする決まりだからと二人の警察官が呼ばれ別室で「取り調べ」が始まった。お寺の納骨壇の購入や、遠方に住む娘の長男の運動会に行く費用などと話したが、信用しないのかお寺に確認の電話をする。もう一人の警察官は娘と話したいというので、携帯電話で呼び出すと娘の住所、氏名、生年月日、携帯番号まで尋ねる。後で娘から「警察官になりすました男に個人情報を盗まれたかと心配になった」と言われた。結局、一時間半余り説明し、ようやく自分のお金が手に入った”。他人事ながら銀行の杓子定規な対応に読んでいて腹が立った。お客様を詐欺から守る為などでは無くて、後で振り込め詐欺だった事が判った場合の銀行側の保身に過ぎないからだ。それにしても、取調べに警察官が二人も来るとは驚きで、老夫婦をまるで犯罪者かのような扱いも、銀行と同じように責任逃れの行為でしかあるまい。そんなに暇なら、最近、警察官の不祥事が多いので、そちらに人員を増やしたら良いだろうに。私が同じ目に遭ったならば、多分怒鳴っていたかもしれないが、そんな大金を引き出す程の預金も無いので、そんな心配も不要か。


当たり前だが、誰でも毎年歳を取りやがて老人になる。私も子供、学生、青年、中年、初老時代は自分が経験して来たので、他人でもある程度の想像はつく。けれど、その先の老人はまだ経験していないので、想像するしかなくて「多分、こんなもんだろう」なのだ。私は50歳位の時に飛蚊症になってしまったのだが、眼科に行って若い医者から「歳ですから、もう直りません。すぐに慣れますよ」と言われ「飛蚊症の経験もない貴方が、どうしてそう言い切れるのか?」と腹が立った。所詮、他人の痛みなど何時までも我慢出来て、自分が実際にその立場になってみないと、なかなかその痛みが解らない。なので、未来の老人の方々にお願いしたいのは、現役老人の痛みは自分の想像以上なのだという事を理解して頂きたい。「長生きは したいけれども 老いは嫌」


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