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豆まきも 除夜の鐘さえも クレームに [教育・生活]

もう年が明け、2月の節分も過ぎてしまっているのに今更「除夜の鐘」の話題で恐縮だが、年明けに年始の挨拶を兼ねて福島県会津若松市にある家内の実家のお寺に電話をした。義姉が電話に出たので「今年の人出はどうだったんですか?」と尋ねると「今年は酉年だから人出が多かったのよ」と言う。「何故酉年だと人出が多いんですか?」と質問したら「お不動様は酉年の守り本尊だからね」と説明してくれたのだが良く解らなかった。調べてみたら、お不動様のお姿をよく見ると火炎に鳥の目と嘴が描かれていて、迦楼羅〔カルラ〕という鳥なのだそうだ。口から火焔を吐き毒を燃やし尽くし、人の心に生まれる煩悩の毒も燃やし浄化するのだという。またその翼を広げると300万里と言われ大空を舞い飛ぶのだという。お寺には鐘突き堂もあり、新聞に載る日没の時刻に合わせて毎日鐘を突く。毎日108回も鐘を突くのは大変なので、普段は18回鐘を突いている。私も何度か突かせて貰ったのだが、力一杯突くと鐘の音が割れてしまい、かといって優しく突いたら鐘の音が遠くに届かないので、なかなか力加減が難しい。大晦日は参拝客に除夜の鐘を突いてもらい、お酒を振舞い、銀杏が20個ほど入った小袋を渡す。参拝客は数百人はおいでになるので、除夜の鐘は108どころか数百になる。お賽銭が気になるが、たいした額ではないようで赤字らしい。それでも、「何百年も続いた日本の文化なのだから大切にしなければと思ってやっている」のだと言う。


ところがである「除夜の鐘」がうるさいと近所からクレームが来たので、止めてしまったお寺があると聞いて吃驚した。そのお寺を紹介すると”東京・小金井市 にある、100年以上の歴史を持つ「千手院」で 住宅街に囲まれており、近隣からの苦情で「除夜の鐘」の中止を決めたというのだ。7代目住職の足利正尊氏さんは「家族で鐘つきをするのを楽しみにしていた方もおり、私の代で止めてしまうのは悲しい思いではあるが、致し方ないところです」と話す。静岡県牧之原市にある、450年以上の歴史を持つ「大澤寺 」もやめた。15代目住職の今井一光 さんは「夜中に鐘が鳴るということに非常に腹を立てた近隣の方からのクレームがありまして、それでやめました」と説明。しかし復活を望む声も強く、今井さんは昼に鐘をつく「除夕の鐘」 (じょせきのかね)を始めた。「去年は120~30人 くらいが列になって並んでくれた。そういうような形で みなさんに認められつつあるところです」と教えてくれた”。私が驚くのは、お寺は昔”寺子屋”の異名があるぐらいその土地の中心だった筈で、周囲の住民には無くてはならない存在だったと思うし、後から越して来た人もお寺がある事は承知していた筈なので、ありがたい除夜の音を「うるさい!」とは理不尽だし、たかが一晩なのである。そういうクレームに負けてしまう今時の弱腰のお寺も情けない。


そして「豆まきはいじめ」が話題になっていて「豆をぶつける行為がイジメに繋がると幼稚園では中止」という所もあるそうで、「豆まきの声がうるさい!」というクレームもあるのだから呆れる。マスコミが大袈裟に取り上げているのかも知れないが、そういったクレームがある事に変わりは無い。季節感を味わえる日本の伝統行事なのだし、そう目くじらを立てなくても良い音に、クレームをつける人が増えているのが残念だ。そういうクレーマーの家は豆まきなどせずとも鬼もよりつかないのだろう。「鬼よりも こらしめたいのは クレーマー」


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