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JASRACはカスラック ? [音楽・芸術]

今から45年前にもなるけれど、私は大学時代に軽音楽部でバンドを組んでおり、年に一回都内の日仏会館で軽音楽部全体のコンサートを開いていた。バンドは私が所属しているフォークの他に、ロック、カントリー、ジャズ等で6バンドぐらいあった。日仏会館のホールの座席数は150あるのでチケットを150枚売らなければ自腹になってしまう。その時、先輩が「コンサートは有料なので使う曲をJASRAC(日本音楽著作権協会)に届けて、使用料を払わなければならないんだよ」と教えてくれた。「たかが学生バンドのコンサートでもお金を取るんですか?」と聞くと「そうなんだよなあ。ばれそうもないんだけどなあ」とぼやきながらもお金を払いに行くと言うので、一緒に行った事がある。自作の曲だけのコンサートにすれば、JASRACになどお金を払う必要はないのだが、来て頂いた方にはアマチュアの作った曲などレベルが低すぎて、初めて聞かされても面白くも何ともないし、折角コンサートにわざわざ来て頂いたのだから楽しんで欲しい。バンドも受けたいので、どうしてもコピーバンドになってしまう。だからJASRACからは逃れられなかったのだ。


新聞で報道されたように、JASRACが子供達も通う音楽教室での演奏にもお金を取るという方針を固めた。音楽教室と言っても対象はヤマハや河合楽器製作所などで個人運営の教室は当面(!)除外するという。プロの曲の95%以上はJASRACが管理しているらしいのだが、「非営利・入場無料・ノーギャラ」や「非公衆」の条件を満たせば、許可・支払は不要でどんな曲でも利用可能だ。しかし今まで大目に見てきた(?)音楽教室だがそろそろお金を払いなさいという事なのだが、いささか拡大解釈ではあるまいか?そして一番の問題は作詞作曲の権利を持っている人が、そう望んでいるのだろうか?と言う事だ。現に宇多田ヒカル氏は「JASRACの方針に反対 私の曲は無料で授業に使って」とツイッターで発言している。そもそもJASRACとは著作権を持つ人達を守るのが第一目的の筈で、著作権を持つ人の意向が最優先されるべきなのに、今回はその逆で、お金が第一目的で著作権を持つ人の意向など二の次に見え、本来の「音楽のあり方とは?」が抜けていて、音楽教育の為に使う曲にまでお金を取るのは間違いだ。JASRACは非営利目的の運営が法律により定められている一般社団法人の筈なのだが、実態は「他人の褌で相撲を取る」事を行っているにも拘わらず、守りたいのは著作権より自分達の組織の利益なのではなかろうか?


ネットでJASRACを調べると「文科省の天下り先になっている」「著作権ヤクザ」「使用料が著作者に届いていない」とすこぶる評判が悪い。アーティストも著作権を守る団体が選べれば良いのだが、つい最近まではJASRACしかなかった。何故ならば国の許可が降りなかったからである。天下り先のJASRACの利益を考えれば当然ではあるけれども、卑劣極まりない。笑ってしまったのは”雅楽演奏者である岩佐堅志氏の公演にも使用料を払え、とめちゃくちゃ上から目線で、しかも”がらく”と読み間違えて電話して来た担当者に、千年前の音楽に著作権はありませんよと教えてあげた”とのツイート。この告発ツイートはネット上で炎上し、ついにはJASRACが釈明文を掲載するまでになったが、2012年にHPに掲載されたそのお知らせでは”「雅楽に著作権がないことは把握しておりますが、確認させて頂いただけです」”という言い訳になっていて、JASRACの体質が良く判る。個人経営の喫茶店やスナック、バーにまで出没してお金を請求しているので「ジャスラック ヤクザも呆れる みかじめ料」。


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