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何を忘れたかも忘れる日々 [老後]

1年振りに武蔵小杉の会社に行く事になった。所沢から横浜の中華街に直通の電
車が、時間帯にもよるが1時間に2本出ていて、乗り換えなしで行ける。打ち合わせ
に遅れては大変なので大抵余裕を持って30分前には到着出来る電車に乗る。駅
に着くと当然時間があるので「このビルの3階に本屋があった筈だ」と思い入った。
取り立てて買いたい本も無いのだが、文庫本のコーナーはタイトルと表紙を観てい
るだけで楽しいので良く立ち寄る。「東海林さだおの丸かじりシリーズが出ていたら
買おうかな?」と思ったら東海林さだおの本は3冊だけあって、そのうち2冊が丸か
じりシリーズだった。このシリーズで困るのはタイトルがどれも似ている事で、例えば
「さんま、ゆで卵、アンパン、目玉焼き、...」の下に「...の丸かじり」が付くのだ。



はっきり言って、中身も似たようなシリーズなので、「はて、これ読んだかな?」とパ
ラパラと中身を見るのだが、持っているのかどうか解らなかった。仕方が無いので、
発行日を見ると2016年6月と2015年6月なので大丈夫と思いレジに向かった。
「有隣堂」という書店で「カバーをおかけしますか?」と聞かれたので「お願いします」
と応えると、「どの色になさいますか?」と指差された紙にはカバーの色が10色以
上あった。2冊買ったので本当は違う色にしたかったが、レジには行列が出来てい
たので素早く決めねばと思い、一番左の紺にした。打ち合わせが終って帰りの電車
の中で読もうと考えていたので、バッグのサイドポケットを開けて入れようとしたら、
中に既に2冊文庫本が入っていて、カバーの色も入れようとしていたカバーと同じだ
った。「まさか?」と思って入っていた2冊をめくったら2冊とも「東海林さだおの丸か
じりシリーズ」だった。「同じ本を買ってしまったのかな?」と思ったら、違っていてほ
っとした。それでも2冊とも、しおりの位置からしても半分も読んでいない事が解る。
勿論、内容など記憶にないので新刊を買ったのと同じだ。つまり、1年前とまったく
同じ行動をした事になる訳で我ながら呆れてしまう。カバンなど会社に置きっ放しだ
し、本を買ってカバンに入れた事などもすぐに忘れてしまっているのだろう。困った。



最近、こんな経験は珍しくない。最初の頃は「俺も齢を取ったなあ」と悔しかったが
近頃「最近自分にがっかりした事があったけれど、なんだったかな?まあいいか!」
で済ませてしまう。そろそろ鏡を覗いても「お前は誰だっけ?」と言いそうになりそう
だ。前に書いたかどうかも忘れてしまったジョークだが(書いてるに決まっているが)
「ボケ防止の本を買って来たからもう大丈夫だ!」とお爺さんが言ったら「昨日もそ
の本買って来た」と孫に言われた、という話。案外長生きするのではあるまいか?

東海林さだおの丸かじりシリーズだが、面白いのでお奨めします。漫画はあまり好
きではないが、エッセイは面白いし挿絵も秀逸だ。食べ物に対する好奇心が物凄く
て人がやらない食べ方や、人がやりたい食べ方を実際にやって記事にしているの
が楽しいし、値段も安いものばかりで「真似してみようかな?」と思えばすぐ実行出
来る。例えば「スイカを丸ごと1個食べる」話があるのだが、スイカを切らずに皮を全
部剥いてボール状のままかじりつくのだ。正にスイカの丸かじりで、思った程美味し
くなかったような結論だったと記憶している。こういうのって、読み終えてから真似し
たいようなしたくないような微妙な気分になる。こういう話で一杯なのでお奨めする。

この記事を書こうと思って、バッグは絶対に家に持ち帰ろうと朝家を出たのだけれ
ど、見事に忘れて帰宅した。なので所々記憶で書いている。近々、又武蔵小杉に行
く予定になっているのだが、行く度にバッグが重くなりそうだが、まあいいか。


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